貧困地区の小学校でこどもたちに給食を提供!〜Table for Twoと提携し実施する学校給食プログラム〜
アクションはTABLE FOR TWO(TFT)*と協働で、フィリピンのサンバレス州カステリヤホスにあるバライバイ小学校で給食支援プログラムを実施しています。
貧困世帯の多いバライバイ再定住地区
フィリピンの学校では一般的に給食がなく、こどもたちはお弁当を持参したり、軽食を購入したりして昼食をとっています。
しかしながら、ピナツボ山噴火の被災者の再定住地区であるここバライバイには、こどもたちに昼食を用意することができない貧困家庭が少なくありません。
また、野菜などの生鮮食品が手に入る大きなマーケットへ行く交通費がない家庭では、食卓に並ぶのは加工肉やインスタント麺などの保存の効く食品ばかり。栄養に関する知識のない親もおり、家庭で十分な栄養を摂れていないこどもたちが多くいます。
バライバイ小学校での給食プログラム
そんなバライバイで、2014年6月に始まった学校給食プログラム。
バライバイ小学校に通うこどもたちの中で、低体重と診断された100〜150名ほどの生徒を対象に、学校がある日は毎日給食を提供しています。
給食作りや配膳・片付けを担当するのは、対象生徒の母親たち。
1週間ごとにローテーションする5人のグループで、毎日朝7時に集まって調理を開始。11時にはこどもたちが給食室にやってきて、母親たちは配膳や片付けをテキパキとこなしはじめます。
栄養満点の給食メニュー
給食に使われる食材は、白いお米にお肉や魚、そしてたくさんの野菜と果物。
こどもたちはお肉とお米を好みますが、野菜もおいしく食べられるよう工夫したメニューで、バランス良く栄養が摂れる給食を提供しています。
給食以外にも、材料費やマーケットへ買い出しに行くための交通費の削減を目的とした学校菜園や、母親や高学年の生徒を対象に実施する野菜の栽培を効果的に行うための講習会、家庭での食生活改善のための栄養レクチャーや料理コンテストなど、さまざまな方法でこどもたちの食を取り巻く環境の向上を目指しています。
コロナ禍での食材配布を経て、学校給食再開
フィリピンでは、コロナの影響で2022年7月まで授業は全て遠隔で実施されていました。その期間はこどもたちに給食を提供できなかったため、代わりに各家庭への食材パックの配布をおこなっていました。
しかし8月からは対面授業が再開し、給食室にも再びこどもたちの姿が。学校菜園には雑草が生い茂り、また土を耕すところからのスタートとなりましたが、母親たちは汗を流して懸命に作業に取り組んでいます。
アクションは今後も、こどもたちが健康的な食生活を送れるよう、バライバイ小学校での学校給食プログラムをサポートしていきます。
*TABLE FOR TWO とは
TABLE FOR TWOは開発途上国と先進国双方の人々の健康を同時に改善することをミッションに活動する日本発のNPO。先進国でヘルシーなメニューを提供し、その収益の一部を途上国での学校給食提供のための寄付に充てる「TFTプログラム」での支援先のひとつとしてバライバイ小学校を対象にしており、アクションは実際に現地でプログラムを実施する上でのコーディネートを担っています。