貧困・虐待・育児放棄・孤児など、こども達が孤児院にやってくる理由は様々ですが、どのこどもも必ず、大人からの愛情やケアを必要としています。アクションでは、孤児院に入所しているこども達が適切なケアを安定して継続的に受けられるよう、一番身近な大人である施設職員の育成や、こども達への様々なサポートを実施しています。また、孤児院退所後のこども達の自立を見据え「チカラプロジェクト」として、こども達が経済的・精神的に自立するためのプロジェクトを実施しています。
チカラプロジェクト(こども達への職業訓練・能力向上プロジェクト)
18歳で孤児院を出ると、こども達は自らお金を稼ぎ自立して生活をしていかなければなりません。しかし、学歴やスキルのないこどもたちが定職に就くことは難しく、日雇いの仕事に就きながらどうにか暮らしているケースが多いのが現状です。また家庭の事情や育った環境から、基礎的な生活能力や周囲とのコミュニケーション能力が低いこどもも多く、こども達のなかには親からの虐待の経験や「親に捨てられた」という心の傷を癒せないまま、極端に自己評価の低いこどももいます。
手に職をつけて、将来の職業を得るためのチカラ
ハサミノチカラ
フィリピン・中部ルソン地域にある13の孤児院のこどもを対象に、日本のヘアカット技術を習得しプロの美容師になるための3年間のプログラムを実施しています。
フィリピンでは人々の美容への意識が高まる一方で、美容師という職業に資格は不要です。確固としたスキルがあれば、都市のサロンや町の床屋に就職できる機会を得ることができます。
このプロジェクトは、アクションの活動に賛同した日本国内の美容師さんにより、フィリピンの孤児院や貧困地域のこども達のヘアカットをする「ハサミのチカラツアー」としてスタートしました。
その後「カットするだけではなく、美容師になりたいこども達を集めて、彼らが手に職をつけるためのサポートも大切ではないか」という思いから、2013年に「ハサミノチカラアカデミー」を開始し、未来の美容師を育てる活動をしています。
日本の美容師達によるチャリティカット 企画「ハサミのチカラツアー」 |
将来の美容師を目指して、 みんな真剣! |
フィリピントップクラスの美容師を 講師に迎えてトレーニング |
ハサミノチカラ募金箱設置店舗募集!
フィリピンの児童養護施設のこども達の「美容師になりたい!」という夢を叶えて、貧困からの脱出を目指すハサミノチカラ。
日本とフィリピンの美容師の皆様の協力により、2011年からこども達は美容師になるための知識や技術を学んでいます。
この活動の輪が広がり、日本国内でもフィリピンのこども達を応援をしたい!という多くの声を受け、日本全国の美容室や店舗での募金箱設置をスタートすることになりました!
設置店舗の申込みもまだまだ受付け中!
勤務先のサロンに設置可能!という方は、お申込書をFAXまたはメールでお送りください!
ハサミノチカラ募金箱 申込書はコチラ
*申込みの際には同意書の内容をご確認の上、お申込み下さい。
【ハサミノチカラ募金箱設置店舗一覧(敬称癪)】
book(目黒)、SORA(広尾、麻布、学芸大)、タバサ美容室(吉祥寺)、Ten(元麻布)、Tycann(神宮前)、DADA CuBiC(渋谷)、canvas(川崎)、yours(福島県郡山市)、クーロンヌ(千葉県富津市)、deco hair design(栃木県佐野市)、サムソン&デリラ(石川県金沢市)、DONNA(奈良県香芝市)、Hair Lab ansuy(鹿児島県薩摩市)、CLIP(石川県小松市)、HAIR SALON ASAI(愛知県日進市)、hair toco toco(愛知県長久手市)、LABOHAIR(長野県長野市)、as-u for hair(宮崎県宮崎市)、VISAGE fine(千葉県浦安市)など
夢中になれることをを見つけて、心身を強くするためのチカラ
フィリピン・中部ルソン地域にある13の孤児院のこどもを対象に、ダンス・空手・フットサルを通じて、自主性や協調性、責任感、連帯感を育むためのプログラムを実施しています。
運営資金が不足している孤児院で暮らすこども達は、学校と施設の往復をする毎日で休日の外出もなく、何かに打ち込むことや他者と協力してひとつのことを達成する経験が圧倒的に不足しています。
このプログラムを通じて、こども達が夢中になることでストレスを発散し、他者と協力すること学び、目標を掲げてその達成を目指すことを経験し、社会に出るにあたって必要なソーシャルスキルを習得することを目指しています。
こども達のストレス発散、集中力や体力を 高めることにチカラをつけるダンス |
体を動かすだけでなく、礼儀や作法も 学ぶことができる空手 |
チームプレイを通じ協調性を育む チカラをつけるフットサル |
施設職員の能力向上プロジェクト(JICA草の根技術協力事業)
孤児院に入所してきたこども達の日常的なケアやサポートを担う職員は、こども達にとって最も身近で、こども達の成長に大きな影響を与える存在です。しかし、孤児院を取り巻く制度が不十分なフィリピンでは、施設職員になる為の資格制度や、国や自治体による研修制度が整っておらず、職員の能力に個人差があることや、こども達へ適切なケアを行えない職員も多くいることが課題となっています。
そこで現在、日本のJICAと協働で、フィリピンのルソン島中部第3地域、54箇所の孤児院で、職員やソーシャルワーカーを対象とした新たな研修制度を確立し、施設職員1人1人の能力を向上することで、こども達が施設内で適切なケアを受けられるようになることを目指しています。(事業期間:2012年~2015年)
各地域の施設長ミーティングを 定期的に行ないます |
プロジェクトは、日本の児童養護施設にも 協力をしてもらう大がかりなもの |
真面目な研修も、フィリピンらしく 明るく楽しい雰囲気で進んでいます |
こども達への心理ケアプログラム
孤児院に入所しているこども達の中には、自己評価が低い、感情のコントロールが上手くできない、問題行動を起こしやすい等、様々な課題を抱えているこどもが多く見られます。そうした課題は、こども達がそれまで育ってきた環境や、「親から捨てられた」という心の傷、家族と一緒に暮らせないことによる寂しさやストレスから引き起こされており、孤児院にいる間にしっかりとした心のケアを受けることが必要です。
しかし、こども達の衣食住を確保するだけでも厳しいフィリピンの孤児院の財政状況では、心理士やこども達の心理ケアまで手が回らないのが現状です。
そこで、アクションでは心理ケア担当のスタッフを施設に派遣し、こども達へのカウンセリングや、月に一度の心理ケアアクティビティを実施することで、こども達が心に抱える課題の解決を図っています。
こども達は、心理ケア担当スタッフとの1対1のやり取りや、アクティビティを通して、自分の気持ちを伝えること、共有すること、仲間と協力して一つのことに取り組むことを体験し、学んでいます。
2014年度は、日本国際協力システム(JICS)のNGO支援事業による助成金をいただき、こども達が心の安定と共に自立して生きていく為に必要な力を身に付けることができる「ソーシャルスキル向上プログラム」を作成・実施しました。
海外ボランティアで孤児院を訪れた大学生が プログラム企画をしたことも |
毎月さまざまなテーマでアクティビティ を実施しています |
こども達が施設職員に、将来の夢を 共有する機会になることも |
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